「黙約の凍土(上)」は、ロシアを舞台にしたスリリングな物語です。物語の中心には、老齢のロシア人元武器商人ボリシャコフと彼の疎遠だった息子ユーリーの関係があります。ある日、ユーリーからの連絡を受けたボリシャコフは、シベリア北東部のアナドゥイリという寒村に向かいます。
その寒村には、1962年のキューバ危機の際にソ連によってひそかに設置されたサイロと二基の核ミサイルが今も眠っているのです。この事実を知ったボリシャコフは、何かを感じ取ります。
一方、オプ・センター長官のチェイス・ウィリアムズは、イランから米国への亡命を希望するガセミ准将の尋問を行っています。しかし、彼の亡命の裏には何か大きな策謀が隠されていることをウィリアムズは察知します。そこで彼は、メンバーに周辺調査を指示するのです。
この物語は、ボリシャコフとユーリーの関係や、ウィリアムズの策謀の真相が明らかになっていく過程を描いています。読者は、ロシアの寒村で眠る核ミサイルの秘密や、イランからの亡命者の真の目的を追いながら、緊張感あふれるストーリーに引き込まれることでしょう。