「ちりめん本影印集成 日本昔噺輯篇」は、特別な本のことなんだよ。ちりめん本っていうのは、ちりめん紙に印刷された珍しい本で、明治時代の出版人、長谷川武次郎が最初に考えたんだって。武次郎はたくさんの人とつながりがあって、外国人や外交官の奥さんたちに手伝ってもらって、日本の昔話や風習、生活習慣、子どもの遊びなどを、美しい絵と一緒に世界中に紹介したんだよ。
この本は、長谷川が出版した「日本昔噺」シリーズのちりめん本を、各国語版全部をそのまま複製して、後の世代に残していくためのものなんだ。ちりめん本は昭和30年ごろまで作られていたけど、その後は技術を受け継ぐ人がいなくなってしまったんだ。海外向けに作られた本が多かったから、国内に残っているものは珍しいし、知られていない本もたくさんあるんだって。
この本には、長谷川の主要なちりめん本の「日本昔噺」シリーズの各国語版が全部92種類収められているんだ。こんなにたくさんのちりめん本が一冊にまとめられるのは初めてのことなんだよ。さらに、長谷川の出版活動や本の流通に関する重要な資料も3つのカタログとしてついているんだ。これからのちりめん本の研究や出版文化史、語学教育、版画史などの研究に役立つこと間違いなし!