P+D BOOKSの「がらくた博物館」は、米国最北端の町で繰り広げられる人間ドラマを描いた作品です。物語の中で、登場人物たちは流れ者の血を引いており、そのために流れ者に対して寛容であり、理解も持っています。
物語の主人公であるマリヤは、ロシアからの逃亡の末に中国、そしてアメリカ最北端にたどり着きました。彼女は飼っていた4頭のシベリア犬に飼い猫を殺されるという悲劇に見舞われますが、それでも日本人の友人であるアヤとの交流を築いていきます。
また、アヤと知り合いのカルロスは、スペインや中米から自作のヨットで漂着し、印刷屋の主人として町に住み着いています。ある日、フェリーでやってきた東洋系の女性と出会いますが、彼女もまた、韓国系の母親と日本人の父親を持つ「漂流者」の一人でした。
この作品は、第14回女流文学賞を受賞した名作長編です。町の人々の人間ドラマや流れ者たちの交流が描かれており、読者は彼らの心情や葛藤に共感することでしょう。是非、この作品を読んでみてください。