「二十世紀初頭のロシアの経済学者たちの業績について知りたい」という方におすすめの本があります。この本は、ソヴィエト社会主義が世界史を大きく揺り動かした20世紀において、最初にその観察と分析を行ったロシア出身の経済学者たちの業績に焦点を当てています。
これまであまり注目されてこなかった彼らの業績に光を当てるとともに、ソ連崩壊後に出てきた新しい資料や研究を基に、ソヴィエト化される以前のロシア社会科学の学問的な遺産を発掘し解明しています。さらに、この本では、20世紀を代表する社会科学者であるウェーバーやケインズのロシア論についても読み解いています。
この本は、ロシア思想史や経済史、亡命ロシア人研究だけでなく、現代経済思想史や20世紀史、現代ロシアの市場移行の研究にも知的な刺激を与えることでしょう。ロシアの経済学者たちの知性とリヴァイアサンとの格闘に興味がある方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。