NATOの教訓を紹介する本書は、世界で類を見ない実績を持つNATO(北大西洋条約機構)について詳しく解説しています。NATO加盟国の本土が70年間も武力攻撃を受けていないという事実は、世界史上でも驚くべき偉業です。本書では、冷戦から現代までの「世界最強の軍事同盟」に関する実例を紹介し、日本が国防の努力を学ぶべき点について考察しています。
現在、アメリカを中心とする自由・民主主義陣営と、中国とロシアを中心とする独裁主義陣営の「新冷戦」が明確になっています。著者の祖国であるウクライナは2014年にプーチンによってクリミアを奪われ、中国もまた日本の領土である尖閣諸島を狙っています。独裁主義国家による侵略を防ぐためには、軍事力の強化だけでなく、堅固な同盟関係の構築も必要です。
本書は、ウクライナ出身の国際政治学者によるメッセージであり、日本を愛する彼の覚醒を伝えています。中国とロシアという現実の敵を直視し、陰謀論にとらわれるのではなく、NATOの成功を学び、同盟関係の重要性を認識することが求められています。日本の国防のために、軍事力の強化と同盟関係の構築を進める必要があるのです。