【甦るロシア帝国】は、若き外交官がソ連崩壊前夜のモスクワに赴任し、ロシアが再び強大な帝国になることを予感する物語です。この本は、ソ連崩壊を目の当たりにした筆者が、新生ロシアのモスクワ大学で神学を教える中で、若者たちにロシアの将来についての恐怖を感じさせられました。「ロシアはいずれ甦り、怪物のような帝国になる」という予言は、プーチン大統領の登場によって現実化しました。この本では、ロシア知識人たちの実像を描き出し、今後のロシア帝国主義政策を理解するために必要な情報を提供しています。
著者の佐藤優さんは、1960年生まれで、浦和高校に入学した後、一人で東欧・ソ連を旅しました。その後、同志社大学神学部に入学し、大学院で神学の研究を修了した後、外務省に入省しました。在英国日本国大使館や在ロシア連邦日本国大使館で勤務した後、外務本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍しました。しかし、2002年に背任と偽計業務妨害容疑で逮捕され、512日間も東京拘置所に勾留されることになりました。最終的には執行猶予付きの有罪判決を受けましたが、上告は棄却されました。
この本は、ロシアの未来についての興味深い洞察を提供しており、ロシアに興味を持つ読者にとって必読の一冊です。ロシア帝国の再興について知りたい方や、ロシアの政治や文化について深く理解したい方にとって、貴重な情報源となることでしょう。
