「モスクワの夜をつくった黒人興行師の壮絶な生涯」という本は、アメリカ南部で厳しい黒人差別社会に生まれたフレデリックの物語です。彼は差別に見切りをつけ、海を渡って旧大陸のモスクワでアメリカン・ドリームを追い求めます。この本は、ロシア文学の博学者によって書かれた歴史ノンフィクションで、まるで物語のような展開があります。物語は、アメリカ南部の社会や帝政末期のモスクワの夜、そして第一次世界大戦とロシア革命の勃発といった激動の時代を背景に描かれています。フレデリックの遍歴は、不屈な男の凄まじくも痛快で爽快な魂の旅として描かれています。