ニコライ・ゴーゴリは、ロシア文学の偉大な作家です。彼の作品にはさまざまなレッテルが貼られていますが、著者はそれらを一切気にせず、ゴーゴリの作品に真摯に向き合っています。特に、ポーシロスチ(貧乏)という永遠のテーマについての論考は貴重であり、『死せる魂』第一部完成後のゴーゴリの創作力の変化についても鋭い指摘をしています。著者は、ゴーゴリをユモリスト、サチリスト、リアリストとして描きながらも、彼のイメージを固定化しようとはしません。彼の批評は、ゴーゴリの作品と深く向き合い、読者にその世界を感じさせ、読者をその世界に引き込むことを目指しています。読者に、ゴーゴリの素晴らしい世界を体験させることが、著者の狙いなのです。