サトラップの息子という小説のお話をするね。サトラップっていうのは、昔のお偉いさんのことなんだよ。ロシアからフランスに亡命してきた少年が、パリで友達のニキータに再会するんだ。ふたりは、小説を書くことに決めたんだ。その小説の題は『サトラップの息子』。でも、ある日、ニキータの家族が急に夜逃げしてしまって、小説作りは中断されてしまう。ニキータの行方や、小説の続きはどうなるのかな?二人の少年には、思いもよらない運命が待ち受けていたんだ。この物語は、著者自身の実体験を元にしていて、小説家らしい巧妙な策略が織り込まれた名作なんだよ。