この号では、国際機構と軍事に関する興味深い論文が掲載されていますよ。
まずは「巻頭言」から。望月康恵さんによる「軍事と国際機構」というテーマで、戦争違法化の過程における国際機構の意義と限界について考えられています。また、田中誠さんの論文では、秩序と正義の相克の視点から、国際機構の役割がどのように制約されているのかが探求されています。
さらに、山中倫太郎さんの論文では、ドイツ連邦共和国の憲法秩序の形成と変動について、国際軍事統合史の文脈から解説されています。一九四九年から五四年までの期間における北大西洋条約の成立から欧州防衛共同体の挫折まで、ドイツの憲法秩序がどのように変化していったのか、詳しく解説されています。
さらに、鈴木敦さんの論文では、制憲期の安全保障構想に焦点を当てています。日本国憲法第九条と国連集団安全保障の関係について考察されており、どのようにして日本の安全保障政策が形成されていったのかが明らかにされています。
次に、「自由論題」のコーナーでは、岩村研太郎さんが陸軍主管の軍事海運制度の形成について解説しています。米国の戦略兵力優位性がいかに顕在化していったのかが詳しく解説されています。ロシア国立海軍文書館の史料を使用して、新たな視点からノモンハン事件を考察しています。
また、「軍事史関係史料館探訪90」では、源田孝さんが韓国戦争記念館を訪れた様子が紹介されています。
以上が「軍事史学 第54巻 第4号(通巻第216号)」の内容です。国際機構や軍事に興味がある方には、必見の一冊ですよ!ぜひ手に取ってみてくださいね。