安彦良和の『乾と巽?ザバイカル戦記?』は、大正時代の日本とロシア革命を舞台にした壮大な物語です。物語は、砲兵の乾が少尉に昇進し、浦潮日報を辞めて旅に出る巽という二人の主人公を中心に展開しています。
乾は反革命勢力セミョーノフ軍に協力し、ザバイカルの独立を目指すセミョーノフ討伐に向かいます。彼はイルクーツクでチェコ軍団の装甲列車と対峙し、コルチャーク軍を食い止めるために奮闘します。
一方、巽は新聞社の限界を感じ、浦潮日報を退社します。彼は戦争の真実を追い求め、元同僚の珠子と共にチタへ向かいます。
乾と巽の物語は、二人がそれぞれ新たな道を歩み始める中で交錯していきます。読者は彼らがこの戦争で何を見るのか、どのような運命に翻弄されるのかを追体験することができます。彼が手掛けるこの作品は、彼の最後の長編として位置づけられています。
『乾と巽?ザバイカル戦記?』は、講談社から2021年05月に刊行されました。イヌイトタツミによる挿絵も魅力的で、読者を物語の世界に引き込みます。この作品は、歴史の巨編として安彦良和の入魂の作品となっています。